発作性の高血圧をきたす病気 褐色細胞腫3 診断のための検査
診断のためのホルモンの検査
スクリーニング検査として尿と採血で特殊な検査を行います。
● まず外来で実施可能な血中カテコールアミン分画(正常上限の 3 倍以上ないしアドレナリンとノルアドレナリンの和≧ 2,000 pg/mL これは診断精度98%),随時尿中メタネフリン分画(メタネフリン,ノルメタネフリン)(正常上限の 3 倍以上または 500 ng/mg・Cr 以上)の増加を確認します。ただし発作性の人では正常のこともあり、正常であれば否定できるわけではありません。繰り返し検査が必要です。
それが陽性だったら24時間蓄尿をして
● 24 時間尿中カテコールアミン(正常上限の 2 倍以上),24 時間尿中総メタネフリン分画(正常上限の 3 倍以上 1.8㎎/日以上 )の増加を確認します。
ただしこれらの採血、尿検査は様々なことで影響をうけて値が変わります。
できれば空腹時で少なくとも 20 分以上の安静臥床後に前腕の血管で留置針を用いて採血するのが望ましいですが外来では可能な限り安静座位とし標準的な静脈穿刺採血を行います。
カテコールアミン含有量の多い食物も値に影響を与えます。バナナ,フルーツジュース,ナッツ類,トマト,ポテト,豆類,カフェイン含有のコーヒー,チラミン含有のバニラアイス,バニラを含む菓子,チーズ,赤ワインなどの摂取を控える必要があります。(バニラ、チーズなどは知りませんでした!)また一部の薬剤(3環系抗うつ剤、レポドパ、メトクロプラミドなど)は可能な限り中止して採血を行うのがよいです。
ほとんどの降圧薬は測定に影響しないとされます。
参考: 褐色細胞腫、パラガングリオーマ 診療ガイドライン2018