医療崩壊?
報道されているように多くの医療機関は赤字に陥っています。原因は一つではありません。
安全を担保しながら最新の医療を提供するには多くの費用・人件費がかかります。医療機器は高額です。しかも買ってしまえば良いわけではありません。例えば断層撮影(CT)装置を維持するには年間1千万円をはるかに超える維持契約が必要です。故障すると患者さんの命に直結する人工呼吸器、透析装置など多くの機器を維持するための保守契約、自家発電機や空調機器など療養環境の維持などにも多大な費用が必要です。さらに優秀な職員を確保する事も医療では最も大切な事です。
平成の頃までは収益を得ることも比較的容易に可能でした。しかし最近のように人件費、材料費、光熱費、食費などすべてが値上がりしていても医療費は公定価格のために値上げすることはできません。コロナ禍では多くの病院が補助金をいただく事ができました。現在はそれがありません。一時的な補助金というぬるま湯につかって経営努力を怠った医療機関は経営が厳しくなります。
私が、十数年前に大学病院、公立・準公立病院から徳洲会に移ってまず驚いたのは、医師だけでなく、看護師、事務、それ以外のすべての職員が、法律の範囲内でぎりぎりまで仕事をすることです。その努力を続けることで何とか収益を確保することが可能になります。現在の徳洲会は誰か個人のためではなく、患者さんのために仕事をしています。その努力を続けることで何とか収益を確保し明日の医療に繋げることが可能になります。
徳洲会は金儲け集団だ、とのコメントをする大学教授がいたようですが、それはあたりません。自分たちの権威や部下の就職先を確保することに注力して、地域医療をないがしろにする一部の”教授”などのために地域の病院が赤字、閉鎖に追い込まれています。各地で行政からの依頼などによってその立て直しに徳洲会が当たっています。多くの徳洲会病院は収益が望めない離島へき地にあります。徳洲会の災害派遣チームTMATは能登半島地震では発災当日の元日夜には被災地に向かって出発しました。アフリカ、アジア各国に機器の贈呈、技術指導、病院建設援助を行っています。このような法人は他にはありません。
厚生労働省は諸外国に比べて多い病床を整理しようとして、病床を急性期、回復期、療養に分けたり、病院機能に応じて診療報酬の加算、減算を行っています。個々の病院でこの政策に対応することはほとんど不可能です。徳洲会は法人として政府の方針を理解して対応し、病院間で人員のやり取りをしたりしながら持続可能な医療を続ける努力をしています。
当院は昨年大規模改修を行いました。そのことについて「新医療」という雑誌から投稿依頼があり文章を書いてみました。新年特集「トップが語るー収益力強化のインフラ戦略」として掲載されました。私は、社会の変化や地域のニーズに絶えず対応していくことが持続可能な医療のために必要である、と結論づけました。
