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掲載日付:2021.02.01

カテゴリ:[ 新型コロナウイルス感染症 / 医療情報  ]

徳洲会グループ病院のクラスターから学べること

1月30日に全国徳洲会の院長、看護部長、事務長が参加する経営セミナーがオンラインで開催された。そこで徳洲会グループのクラスターについての報告があった。これまで2020年12月から5名以上のクラスターが発生したのは7つの病院に登る。神奈川県の報告でも1月末この第3波において終息していないクラスターが医療機関で29、介護施設などで66にのぼるとあった。それぞれの病院の院長がたは、診療も行いながら院内の診療の調整、職員の勤務調整など大変なことであったと思われる。完全に終息するまでに2か月近くかかるというが、年末に発生したある徳洲会の病院では早期に職員全体スクリーニングを行って早期終息が可能になった事例が報告された。発生部署では患者、職員に対して毎日14日間検査を行ったようで、そこから笑ることは陽性者の2/3が無症状だったこと、また安定していてもあとからぽつりぽつりと陽性者がでてくるということだった。病棟はクラスターが発生すると職員が休まなくてはならなくなり人で不足となる。そこで応援に入った人からの感染が拡大しないように留意すること、職員間の濃厚接触の対策(食事、休憩室など)があげられていた。当院ではクラスターの発生がおきないように、職員への啓蒙を続けていて今のところおきていないが、いつおきてもおかしくない状態であり、緊張が続く毎日である。

掲載日付:2021.02.06

カテゴリ:[ 新型コロナウイルス感染症 / 医療情報  ]

12月のコロナ抗体保有率の検査結果

2月5日に5つの都道府県の新型コロナウイルスの抗体をもつ人の割合がどのくらいか厚労省より発表があった。検査は2か月ほど前の12月。第3波による感染者数増加がみられていた頃である。東京で0.91%、大阪で0.58%、愛知で0.54%、福岡で0.19%、宮城で0.14%だった。みなさんはどう思われたでしょうか。私は思いのほか少ないなという印象をうけました。ニューヨークでは夏に2割くらいの人が感染しているというデータもでていました。ただ逆にいえば、日本の感染対策はうまくいっているということになるのでしょうか。ただこの1月に罹患した人の多さを考えると、次ではもっと高くなるでしょう。

掲載日付:2021.02.06

カテゴリ:[ 新型コロナウイルス感染症 / 医療情報  ]

神奈川で南アフリカ型の新型コロナウイルス感染者が

2021年2月4日 厚労省より南アフリカ型の変異型陽性のかたがみつかったと報告がありました。神奈川県在住のかたのようです。日経新聞のホームページによると2月5日時点で南アフリカ変異型の報告は36か国に広がっています。(英国型は72か国)また英保健当局は2月2日、国内でこれまでに検出された新型コロナウイルスの変異種がさらに変異し、それが南アフリカとブラジルの変異種に似た性質を持つようになっていると発表しています。
この南アフリカ型、これまで開発されたワクチンのききかたが悪いという報告がなされています。南アフリカ感染者の9割以上は南アフリカ型であり、そこで行われているワクチンの臨床試験の効果が低いということも一つの理由にあげられています。(アメリカ ノババックス社のワクチン 有効性 英国89%、南アフリカ49%、 アメリカジョンソンエンドジョンソン社のワクチン 有効性 米国72%、南アフリカ57% 2月5日読売新聞記事より)。各製薬会社は南アフリカ型に対応するワクチンを作り早速作ると発表しています。先行して開発した企業は動きが早い!
ただ50%程度は有効率がありますからワクチンがまったく効果がないわけではありません。インフルエンザワクチンとても有効性は40-60%です。よってこのコロナの感染を抑えて発症を抑えるためには接種をすすめていくしかないのだと思います。
ただ変異が多いウイルスであり、全く効果がないような型がでてこないともいえません。人類、ワクチン研究者とウイルスの戦いはまだまだ続くのでしょうか。それにしても新型コロナウイルス したたかです。

掲載日付:2021.02.06

カテゴリ:[ 新型コロナウイルス感染症 / 医療情報  ]

イスラエルのワクチン接種効果を参考にしよう

最近のニュースでは、いち早く多くの国民に新型コロナワクチンを接種したことで話題に上ることの多いイスラエル。2020年12月に打ち始めてすでに2か月ほど経過。それが効果としてどう表れたかという報告がでてきた。これは日本人がワクチンに対して懐疑的に思っている中で、推奨していく一つのデータになると思う。イスラエルでもファイザー社が開発したワクチンを中心に900万人人口のうち1回目終了は330万人、2回終えた人は190万人と2割がうった計算になる。優先的にワクチンをうった60歳以上で過去3週間で感染者が61%減り、入院した人は31%減り、重症者は24%減ったという。それでも感染者数は6000人から7000人毎日感染者がでているが。イスラエルは3月末までに16歳以上のすべてにうつ目標であるという。ただワクチンをうったあと人々が油断して動きは始めているという報道もあった。今後の患者数の動きにも注目していきたい。これで本当に減ってくるのであればそれを日本の人たちにも伝え、ワクチンをうっておらうように働きかけることが政府にやっていただきたいことである。

掲載日付:2021.02.12

カテゴリ:[ 新型コロナウイルス感染症 / 医療情報  / 江里名誉院長 ]

若い人でも酸素投与が必要な人が8%

新型コロナウイルス感染症の患者数が増えるにつれて、感染した人の多岐にわたる症状、また後遺症がわかってきている。決して若い人だからといって無症状ですむとは限らない。免疫的な後遺症は自己免疫と関係するのか40代前後の若い女性に多いともいわれているし、全身倦怠感がいつまでも続く若い人の報道もあった。その前まったく元気だった人にも急性期肺炎兆候がでることは珍しくない。(普通インフルエンザにかかってもそんなに簡単に肺炎にはならない)
国立国際医療研究センターの大曲先生が12月28日までの全国の退院した患者さんを調べたところ、20-30歳代の患者4727人のうち8%にあたる367人が入院時にすでに酸素投与が必要だったり著しい低下がみられたと報告された。人工呼吸器を必要とするまで重症化した人も26人いたという。重症化しないまでも肺に陰影がでたり酸素化が低下するのがこの新型コロナウイルスで、そこいらの風邪症状をきたす今までのウイルスとは違う。しかもこのスリガラス陰影を呈する肺炎、まるで平気な顔していても酸素がさがっているということがしばしばある<サイレント肺炎>とも名づけられている。若い人であってもかかってはいけないウイルスです!


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