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掲載日付:2018.09.02

カテゴリ:[ 内科 ]

地域に貢献する医師に必要なもの?!

 こんにちわ。

 地域に貢献する医師に必要なものって何だろうか?



 我々の病院は、心臓病に特化した病院から救急患者さんを受け入れる病院へ、更なる挑戦がはじまった。

 それに伴い、地域にとって本当に求められるものを経験できるようになった。



  地域に求められるもの。。。

   高齢者の入院診療

   縫合などの小外科の救急診療

   有症状患者の外来診療

   慢性疾患の外来診療

   高度医療

   重症患者の集中治療

          などと思い浮かんだ。



  医師として早い段階で、能動的に、フィードバックを受けながら学べる環境で、

 特に苦手となりがちな、救急対応、重症患者対応、高度医療の適応と紹介判断、生活面の評価と管理、

 院内多職種との連携、周辺地域の状況を踏まえた他施設との連携、   などをトレーニングする。





  地域を肌で感じながら、周辺地域の状況を踏まえた連携、救急対応、高度医療の適応と紹介判断、

 院内多職種との連携は特に学ぶ機会が多い。100床以下の小規模病院ならではの特徴かもしれない。 



 「(経験する)症例数」 × 「(適切なフィードバックを受けられる)指導体制」 にて、



   周辺地域住民が安心して暮らすことができるよう、’命と健康のサポートをする医師’、

 の育成に貢献していきたい。



  葉山内科・GIM

  



  当院内科の見学や採用情報はこちら。

  病院公式Face bookはこちら。 



 ~写真は、「夕方の病院の明かり」~

掲載日付:2018.09.15

カテゴリ:[ 内科 ]

医学生さんの実習受け入れ from ハンガリー

 当院では、医学生さんの実習の受け入れをしております。

先日、ハンガリーから医学生さんが実習に来られました。

最近日本から海外で医学部に進学する学生が増加しております。

英語で様々な国の医学生さんと学びながら、医師になります。日本に帰国後、申請して試験を受けると

日本でも医師免許を得ることができるそう。



医学生さんは6年間の学生生活で、実際に患者さんと接しないところで授業など受けて勉強する時間の方

が長いかと思います。今回、ハンガリーから来られた医学生さんはまだ入学したばかりなのにも関わら

ず、患者さんとの医療面接を勉強する実習プログラムがあり、当院へ来てくれました。日本の医学部では

当たり前でも、他国の医学部ではより良い学習プログラムが用意されていることに私達も気が付かされま

した。



今後、日本の医療がさらに患者さん達にとって改善されていくために、

海外で学んだ医学生さん達が医師になって様々な良い刺激になることを期待しています。



*ちなみに医学生さんの実習はこちらのページから。



葉山内科・GIM



~以下の写真は、担当症例について湘南鎌倉ブランチ先生とのケースカンファレンスの様子です。~

掲載日付:2018.09.30

カテゴリ:[ 内科 / 社会問題 / 地域医療 ]

多診療科のコンサルテーション・サポート

 葉山ハートセンターでは、

消化器内科、皮膚科、整形外科、精神科など様々な診療科の非常勤の先生に相談できる体制整備

が整ってきています。



 入院を要する患者さんを「断らずに診る」、「何でも診る」というのは、とても難しい。

勿論、緊急で手術やカテーテル介入など特殊な介入を要する場合には、

専門科に急いで紹介し、診療をお願いする。



 日本は超高齢社会であり、逗子・葉山は高齢化率(65歳以上の割合)が約31%ととても高く、

入院患者の大部分が必然的に高齢者の割合が高い(平成30年度、逗子市および葉山町ホームページより)。

高齢者はたくさんの病気を持っている事が多く、それと同時に生活の問題も抱えている事がよくある。

そのため、その人を包括的にみて、その人にとって重要なことが何かを考える必要がある。

しかしながら、入院中に様々なトラブルが生じることがあり、適宜その分野の専門家にアドバイス

を頂く必要がでてくる。



 当院では、様々な診療科の協力が得られるように徐々になってきつつあり、患者さんにとって、

医療従事者にとって、安心できる環境へ進化し続けている。



葉山内科・GIM



 ~下の写真は、夕方の病院から見える景色です。~

掲載日付:2018.09.02

カテゴリ:[ 内科 / 医療情報  / 循環器 ]

左心系の心内膜炎の抗生剤投与が途中から内服薬にできるか?


心内膜炎は歯の治療後などにおきた菌血症が原因で心臓の弁に菌塊が付着しておきる感染症である。決してまれではなく発熱の鑑別診断として常に考える疾患であり、弁が破壊されて心不全兆候が強くなったり、菌が全身にとんで全身症状をきたしたり、あるいは塞栓(臓器につまる)症状をおこしたりする。脳梗塞、腎梗塞、脾臓の梗塞などをきたすこともある。心臓外科的な手術を要することも多い。
さてこのような重篤な疾患の治療の主体は抗生剤である。左心系におきたときには、通常6週間の抗生剤を点滴で行うとされるため入院期間が長くなる。重篤な時期は最初の時期が中心で、安定してくれば元気なのだが抗生剤の点滴というのがネックになり長期入院して精神面、体力面の低下がおきる。これを途中から内服にできないかという研究をした論文が発表されて話題になった。
 左心系心内膜炎の患者さん400人を対象に、199人は6週間の静脈注射で、201人は最初に静脈注射で(少なくとも10日以上)はじめてその後内服治療へと変更する群にわけた。内服で安定していたら外来通院とした。それらの人が全死亡、予定外の心臓手術、塞栓症、菌血症の再燃がどうなるかを6か月後まで評価した。そうしたところ、それらがおきた例は静脈注射群で12.1%、内服群で9%で、心臓手術も増えなければ塞栓症も菌血症再燃にも差がなかった。以上から標準的な6週間の点滴抗生剤治療から一部の人では経口に切り替えても効果に遜色がないという結果となった。これを実行するためには、自宅で自己管理ができる人、こまめな外来指導が欠かせないと思う。しかししっかりできれば入院費用が減って、また筋力低下など活動性の低下が外来となれば防止できたり仕事にも復帰しやすいなど患者さんにはメリットがある。

(NEJM August 28, 2018 )

掲載日付:2018.09.08

カテゴリ:[ 内科 / 医療情報  / 循環器 ]

糖尿病の人にアスピリンをのむと初発の心筋梗塞や脳卒中は予防できるのか?


糖尿病の人では心筋梗塞や脳卒中のリスクは2-3倍高いとされている。そして狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を一度おこした人は次におこさないようにするためにアスピリンを内服する(2次予防)ことは行われている。それでは、糖尿病の人で今までそのようなことを起こしていない人に対して前もってのんでおくことは有用かということをみるために大規模な研究が行われその結果が発表された。対象は40歳以上の糖尿病でこれまで心臓血管系の病気のない人をアスピリンを1日100㎎飲む群 7740人とのまない群7740人に割り付け、平均7.4年間観察。心臓血管系のイベント(心筋梗塞、脳卒中、TIA,心血管死)はアスピリン群8.5%, のまない群は9.6%でおきた。RR=0.88 P=0.01でアスピリンはそれらの発生を抑制させていた。しかしアスピリンは血小板機能を抑制し出血リスクがある。その出血として大出血(頭蓋内出血、失明の恐れのある眼の出血、重篤な消化管出血など)を比較するとアスピリン群では4.1%,のまない群では3.2%で、アスピリン群が多かった。その内訳として消化管出血41.1%, 頭蓋内出血が17.2%であった。以上から心血管系のイベントを抑制する効果はあっても出血のリスクによりその利益が打ち消されてしまう結果となったと述べている。
つまり糖尿病にとって心臓血管系の疾患は予後や活動性に影響を与える重要な合併症であるが、それらを予防する効果はアスピリンにはあるが、出血しやすさには注意が必要で、全体としてそれらの疾患をもっていない糖尿病の人には利益があるとはいえないということです。(NEJM August 26, 2018)


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