PubMedと学術情報流通
科学者、医師は、PubMedをよく用いる。
しかしながら、医師はPubMedが何か?MEDLINEとの違いなどあまり関係なく、用いている。
英語で検索すること、うまく検索すること、検索の結果を正しく吟味することに関心はあるが、
言葉の意味や歴史などの実用的でないことはあまり知らないかもしれない。
米国立医学図書館(National Library of Medicine; NLM)が作成する文献データベースをMEDLINEといい、Web版をPubMedという。NLMの設立母体である米国立衛生研究所(National Institutes of Health; NIH)が研究助成した学術論文を無料公開する方針とし、PubMed Central; PMCがこの方針の手段の形となった。この影響が近年のオープンアクセスのモデルとなった。また、New England Journal of Medicine誌の編集長であったフランツ・インゲルフィンガーは査読制度のある学術雑誌を第一の発表の場とすべしという規範を定めた。
査読制度のあるオープンアクセスというとBioMed Central社を中心とした査読制度のある学術雑誌のビジネスモデルが知られている。医療情報へのアクセスを良くするオープンアクセスのために1,000~2,000ドルもの費用を学術論文著者が負担することになる。発展途上国の論文著者は費用負担の一部あるいは全額免除するようなシステムがある。これにより発展途上国における医療情報アクセス問題に対して、論文著者の費用負担について取り組んだ形となった。このようなオープンアクセス化の流れによてハゲタカ雑誌といわれるようなビジネス目的の雑誌が増えてくる流れとなった。
(参考 医学界新聞2019年3324号p4)
葉山内科・GIM
~以下の写真は病院内の敷地の様子です。~