100歳のお誕生日会
12月3日 当院で100歳のお誕生日を迎えられた患者さまがいた。誕生日より少し前に当院に感染症で入院された。もともと生活されている施設ではお誕生日会を盛大に準備されているとのことで、なんとか誕生日には戻っていただこうと完璧に治療して戻ったにもかかわらず、数日でまた発熱で入院されてしまった。誕生日にはもう帰れない。にわかに、私たちが誕生日会を準備しなくては・・・ということになった。患者さんの体調も整えなくてならないし、飾り付けの準備、プレゼントの準備、家族にきていただく調整、ギターを添えた歌のプログラムなど2-3日でのにわか準備。日々の忙しい業務のなか、だれが指示するでもなくスタッフは折り紙などを持ち寄り仕事を終えてから飾り付けを作る。昔の工作を思い出した。リハビリのかたはこういうのが得意で、協力してくれた。
当日はたった30分ではあったが、患者さんの体調もよく(直前に吸入などして体調を整えたが)、息子さん2人が病院にきてくださった。ピンクのだるまをもって。本人はとてもご機嫌で、ピースサインだけではなく逆ピースサインもして写真におさまっていた。皆が歌を歌っていたときには、出されたフルーツポンチゼリーをばくばく食べて平らげていた。この食欲こそが元気の源であると思う。
ご本人が挨拶することはないと思い、プログラムにいれていなかったが、本人にふってみるとなんと本人が話始めた。盛大に祝ってくれてうれしいということを述べ、自らの言葉で105歳まで生きるのだといわれた。そして古い長唄のような歌を5分くらい歌った。30分座っていて最後に歌を歌うのだからすごい。
コロナによりこのような催しができなくなっていたが、久しぶりに感動的なよい会だった。本人も家族もうれしそうな表情をされていたし、準備した我々も幸せな気持ちになった。
100年 部品を交換しないで動き続ける機械はない。お金をどんなにつんでも、100歳までいきる保証をえることはできない。100年も一つ一つの細胞が古くなり再生したりはしてもまた互いに協力しあいながら臓器を形作り動かし続けていること、それだけでもミラクルなことだと思うのです。
今日は100歳の患者さまから幸せと元気をもらいました。患者さん家族の許可をえて写真をのせます。