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掲載日付:2017.11.01

カテゴリ:[ 院長個人 ]

誰かに託してそして生き続ける一粒の麦


曽野綾子氏の本に紹介されていた聖書の言葉から。

<一粒の麦は、地に落ちて死ななければ、一粒のままである。だが、死ねば、多くの実を結ぶ>

 同じような話があったなと考えてふと思い出した。
中国の作家でえんれんかというかたの<年月日>という作品で、魯迅文学賞を受賞された作品だ。物語は、1000年に一度の大日照りの年で、皆がでていった村に1本のトウモロコシの苗を守るために老人と盲目の犬が残り、水を求めて戦い苗を守った話である。最後はたった1本の苗のために自らのやせてよれよれになった体を土にうめ栄養となり、苗はそこに生き延び、次の村に戻った若者に種を残したという話である。

 誰かを助けるために、さらなる次の発展のために、今の自分を犠牲にすることができるかどうか。
自分ひとりの利よりもさらに多くの人の利を考え、ほかの人の力に次を託すことができるかどうかである。
日本の若者を育てなければ日本の未来はない。でも高齢者が社会福祉費の大半を使っている。自ら生きられないかたが自然な死を選ぶ分、そこにかかる医療費を次の世代の子供をうみ育てる費用にまわせないものか。次の世代の教育費を無償化するにしても財源が不足していることは明らかだ。次の世代にまわすことでいきるものがあるという意識を日本人皆がもたないとならない時期にきていると思う。

掲載日付:2017.11.07

カテゴリ:[ 院長個人 ]

働けるまで働くことは、人に対して与える側に立ち続けること


外来を長くやっていると思うことがある。70歳超えても80歳超えても仕事をもっている人は若いということだ。身なりもそして発言もである。ぼけたら働けないから、それは仕事もっているから若いのではなく、ぼけてないから働けるのよといわれたこともあるが・・・

私の患者さんを紹介しよう。若いときには食べるのも多くて生活習慣病でデータがとても悪かった人が、良く働くものだからいつまでもいてくれと請われて80歳も近いというのに葬儀場で働いているかたがいる。その人のデータは最近ではまるで以前とは違いとてもよい。働くためには無理をしなくなり、また毎日朝早くから夜も時間すぎても余分に働き、しっかり食事をとり早く寝る。お酒も以前ほどはのまなくなり年をとって適度な食事量にもなってきたという。以前にもましてイキイキしている。まだまだ働いてといわれたら週1日でも2日でもいいから続けるようにアドバイスしている。このかた、まだまだ元気で生き続ける気がする。生活習慣病があったらみんな早死にというわけではないのだ。
 先日曽野綾子氏の<死の準備教育>という本を読んでいたら、同じようなことが書かれていた。曽野さんの語り口調はすごくはっきりしていて気持ちがいい。政治家や役人の方々がいえないことを竹を割ったような物言いでいってくれる。その中にあった言葉。
<福祉がすすめばすすむほど、もっとくれ、あれもくれと人々は永遠の飢渇に苦しめられるようになる。本当に人の心を救うのは、その当人に与えると同時に、その当人が別の他人に与える側にも廻る喜びを教えることである。おそらく、今後ますますふえて行く老人たちにとって大切なことは、死ぬまで働くことをやめず、いかにいつ迄ももらう側ではなく与える側に立つ光栄を維持できるか、ということにかかっているだろう。>
 その通り!!!と私はその場で拍手をし、そこに大きなラインを引いたのである。

掲載日付:2017.11.13

カテゴリ:[ 院長個人 / 人工知能、ロボット 新技術 ]

Novartis 主催のOrange seminarに参加してきました。


院長になって初めて参加したセミナーです。通常製薬会社さんは自分の売る薬剤に対しての勉強会は開催するものですが、全く異なる医療経営や先端技術に関するセミナーでした。日曜日唯一の体を休める日だけど、おもしろい演題だったため東京まででかけてきました。
亀田メデイカルグループの最高情報責任者の中後淳さんのお話しは、国際病院評価基準(JCI)を取得している病院としても、また先見の目をもった病院経営をしてるグループとしてとてもおもしろいお話しでした。政府がすすめる地域包括医療を行うにしても、その情報共有は統一された形式であることが望ましい。病院だけでなく地域への情報インフラの整備、さらには遠隔医療にむけての整備、そこから遠隔セカンドオピニオンの構想など、そして過疎化がすすむ不便なエリアだからこそ、10年ー20年後みすえてアジアのハブ病院になることをめざしていると。あの亀田病院ですらも、勝ち組の医療機関でいるためにたえず進化をする努力を続けていることに感心しました。しかし中後さんがいっていたのは、すでに台湾、中国、韓国の先進的な病院では医師がスマホやiPadにての診療を行い、患者さんもスマホで予約をとり、会計もネット、カードでという風にIT化がすすんでいると。日本は遅れてガラパゴス化しないか不安だといっていました。
また東京女子医大の先端生命医科学研究所教授の村垣善浩先生の先進的なオペ室の話もまるで未来を描いた映画のようでもありましたが、着実にワークステーションのような画面がオペ室にあり、すべての情報がそこにのせられ、まるでNASAの地上ステーションのように画面をみながら手術をする感じ。コンピューターが手術の手をすすめるのをアシスト(そこは危険、そこより何CM切ってもリスクは10%など)するようになるようです。そのような手術室ごとのシステムを作り製品化して海外に売り出すような将来的なビジョンをもっていらっしゃるとのこと。列車システムを売るのと似ていますね。神の手をもっていなくても手術の技術がある程度均一化される、そういうものをねらうようです。
先進的なお話し、すぐに参考になるものではありませんが、今医療がどこにすすもうとしているのかが垣間見えて勉強になりました。

掲載日付:2017.11.15

カテゴリ:[ 内科 / 病院行事 報告 ]

アルツハイマー型認知症の早期診断 アミロイドPETの講演会


11月14日午後3時から院内の講堂で、湘南厚木病院の畑下鎮男先生をお招きして、アミロイドPETによるアルツハイマー型認知症の早期診断の講演会を開催した。
誰もが自分が認知症になって迷惑をかけるのだけは避けたいと思っているだろう。これから人生100年といわれるが認知症をもつ比率は今後ますます増えるといわれている。厚生労働省の発表では、認知症を患う人の数が2025年には700万人を超えるとされる。これは、65歳以上の高齢者のうち、5人に1人が認知症に罹患する計算となる。それを早期に発見しようという試みが畑下先生の行っているアミロイドPETだ。

先生のお話しをまとめてみる。
アルツハイマー型認知症はβアミロイド蛋白が脳に蓄積しアミロイド斑を形成しやがて神経障害をきたし発症する疾患であることがわかっている。βアミロイド蛋白の蓄積はアルツハイマー型認知症を発症する10年も20年も前から蓄積が始まる。アミロイドPETは放射性同位元素に標識した[18F]-FMMを静脈注射しそれがとりこまれるかどうかで判断され、症状がなくても陽性とでることがある。陽性とはすでに発症していればアルツハイマー型認知症の確認、そうでなければ将来アルツハイマー型認知症を発症する可能性があるということを意味する。陽性だったとき、その人のうけるショックは大きいのではないかと思われるが、すぐに発症するわけではなく、進行を予防するために糖尿病(アルツハイマー型認知症のリスクが2倍あるという)や生活習慣病のコントロール、運動療法(これがいいらしい)、積極的に頭を使うこと、人とと交わることなどが効果があるという。喫煙していた人が肺気腫になりやすいが、早期に禁煙することでその進行を遅らせることができる・・・それと似ているような気がした。畑下先生は、認知症の家族歴があるかた、または少し物忘れが多くなったと人に指摘されるがただ年のせいなのか??と心配になるかたにぜひ受けていただきたいということであった。また陽性の人では治験薬の臨床研究も行われているようなのでそれがやれる可能性もある。

とてもためになるお話しで、40名近い聴講者のかたが熱心に1時間以上の講義をきかれていました。
50歳前後からもうβアミロイドはたまる人はたまってくるらしいのでまだ働いている人たちにも検査の適応はありそうです。お問合せは湘南厚木病院まで。また当院でも来年くらいから当院の人間ドックのオプションとしてとりいれたいと思っています。

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