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不整脈センター不整脈センターのご案内

診療内容

カテーテルアブレーション(Catheter Ablation)、ペースメーカー(Pacemaker)や薬物療法を用いて、心房細動、心房粗動、WPW症候群、上室瀕拍、心室瀕拍、心室細動、房室ブロックや洞不全などのすべての不整脈を治療します。

不整脈センターの特徴

2006年より葉山ハートセンター内に開設された不整脈センターの特徴は心房細動の治療に重点を置いた点にあります。本邦には慢性心房細動患者が100万人、発作性心房細動患者が50万人以上いるといわれています。心房細動による脳梗塞は加齢とともに増加し、重症化することが多く、これまで、内科的には主に抗不整脈剤と抗凝固剤を用いて治療するしかなく20年前までは外科的なメイズ手術でしか治療できなかったのが現実でありました。しかし、1998年フランスのHaissaguerre(ハイサゲル)教授らが心房細動発生源の大部分は肺静脈およびその周辺の左心房後壁にあることを報告して以来、多くのカテーテルアブレーションによる心房細動根治治療が行われています。肺静脈の電気的隔離術には多くのやり方がありますが、当院では4本の肺静脈のみならず、左心房後壁をも電気的に隔離をするいわゆるBox Isolationも行っています。肺静脈の前庭部や左心房後壁から発生する心房細動も抑制可能であることから根治率が高いことが特徴です。当院では主に高周波Hot balloonカテーテルによるアブレーション治療法を選択しています。高周波ホットバルーンカテーテルによる心房細動治療は本院が中心となり、15年以上の年月をかけて開発し、四年前より保険適用となっています。カテーテル先端のバルーン内には高周波通電用電極と温度センサーが設置されています (図1)。バルーン内を生理食塩水と造影剤の混合液で満たし、背中の対局板とバルーン内電極との間で高周波通電を行いますと、バルーン内電極周囲に高周波が集中して、バルーン内溶液を加熱します(図2)。同時に外部振動発生器よりカテーテルシャフトを介して振動波をバルーン内に送ると、バルーン内は撹拌されてバルーン温度は均一化されます。このホットバルーンは弾力性に富み、バルーン内溶量により直径が変化しますので、肺静脈口などの組織に密着して主に熱伝導でこれを加熱します。 (図3)。バルーン中心温度を73度C以下に設定すると、組織温度は70度Cを超えませんので、穿孔や血栓が生じることはありません。第二世代バルーンでは尖端に双極電極が設置されて、肺静脈電位モニターや肺静脈ペーシングが可能です(図4,5)。

旧来の電極カテーテルを用いた高周波アブレーションでは、先端電極温度と組織温度とが乖離するため血栓形成や水蒸気破裂による穿孔の合併症があります。また点状焼灼をつなげるために焼灼回数が多くかかり、伝導ギャップが生じやすく、心房細動の再発心房頻拍の合併が観られます。クライバルーンアブレーションでは治療部位を急激にマイナス50度以下にさげて凍結破壊するために大量の笑気ガスを使用するので地球温暖化を増悪させます。ゆっくり凍結された部位は再発します。笑気ガスが漏れると大変なことになりますのでバルーンはPETの二重膜で出来ていて、コンプライアンスが低いため、変形した肺静脈の隔離には不向きです。図3は、ホットバルーンアブレーションによる肺静脈隔離の様式図を示します。図4はそのX線透視図です。当院では下図3にしめすように、全肺静脈のみならず左心房後壁の隔離が可能です (図5)。肺静脈隔離のみより治療成績はよく、1セッションで発作性心房細動の患者90%を、持続性心房細動の80%を治します (文献 1、2)。現在まで約600例の当balloonでの治療経験を有し、463例での長期成績、合併症(食道潰瘍、肺静脈狭窄)に関する発表を2011年アメリカ心臓協会(AHA)(図6)と2012年日本循環器学会にて行っていますが、従来法より長期成績は良く、合併症率も1%と低いのが特徴です。

(図7)に2006年~2011年までの当不整脈センターのカテーテルアブレーション件数の変遷を示します。心房細動の根治治療を希望される患者様方は年々増えてきており、ひとつのカテ室のみでの治療には限界がありましたが、ついに2015年6月より二つ目の不整脈治療専門のカテ室稼働を開始しました。また、その部屋には国内で二例目となるフィリプス社製の最新X線透視装置(EPナビゲーター)が設置され心房細動のカテーテルアブレーションの際に非常に有意義な情報が提供され、さらに安全な診療が可能となりました。

図1 第2世代 Hot ballon (先端電極付)

図1 第2世代 Hot ballon (先端電極付)

図2 ホットバルーンカテーテルの原理

図2 ホットバルーンカテーテルの原理

図3 ホットバルーンカテーテル

図3 ホットバルーンカテーテル

図4

図4

図5

図5

図6 CARTO Systemによるホットバルーンアブレーション(全肺静脈と左心房後壁の隔離)の確認

図6 CARTO Systemによるホットバルーンアブレーション(全肺静脈と左心房後壁の隔離)の確認

0.02mV以下の低電位領域は赤く表示されています。

図6

図6

図7 カテーテルアブレーション実績

図7

文献(1)Sohara H, Satake S, et al. Feasibility of the Radiofrequency Hot Balloon Catheter for Isolation of the Posterior Left Atrium and Pulmonary Veins for the Treatment of Atrial Fibrillation、Circ Arrhythmia Electrophysiol. 2009; 2: 225-232.

文献(2)Yamaguchi Y, Sohara H, Takeda H, Satake S. Avoiding cerebral embolism during ablation of atrial fibrillation by the use of radiofrequency hot balloon catheter. Circulation 2011;314:4049 (Abstract).

図8 最新X線透視装置

図8 最新X線透視装置

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