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葉山ハートセンター ブログ


掲載日付:2021.05.23

カテゴリ:[ 新型コロナウイルス感染症 / 内科 ]

新型コロナウイルスにかかった人はワクチンうけていいのか?

新型コロナウイルスにかかった人でもワクチンを推奨するようにいわれていますが、本当にうけても大丈夫なのか?副反応が強くでるのではないかという心配がきかれました。

イスラエル、米国、イギリスより報告があります。
ファイザー社のワクチンの接種を受けた医療従事者の中で、
PCR により確定された SARS-CoV-2 感染歴のある者、および SARS-CoV-2 の既感染が示唆された(=接種時点で SARS-CoV-2 に対する抗体を有していた)人は、ワクチン 1 回接種後(検体採取時期:接種後 7~25 日の範囲)のスパイクタンパクに対する抗体価と中和抗体価が、感染歴のない人の 1 回接種後と比べて高く、感染歴のない人の 2 回接種後と近い程度まで上昇していたことが示されました。
つまり感染したことが1回目のワクチンをうったのに相当するような感じというわけですね。
感染歴のある者に対する 2 回接種後の抗体価は、1 回接種後の抗体価と有意差は見られませんでした。
イタリアからの報告では、対象者 6 人の少数の検討でありますが、1 回目接種の 9 か月前に SARS-CoV-2 感染歴があった者に対して 2 回接種を実施したとき、1 回接種後 7 日には抗体価がプラトーに達していたことが示唆されました。

(ということは感染した人は1回でもいいかもしれない・・・という意見もでてくるのですが、長期的な結果はでていませんのでそうはいえないのです。)

接種後の症状(副反応)については、感染歴のある人は感染歴のない人よりも 1 回接種後の症状が多く認められました(36.8% vs 25.0%,p=0.03)。一方、2 回接種後の症状出現頻度には有意差はありませんでした(51.3% vs 58.7%,p=0.26)(2)。現状、米国の予防接種に関する諮問委員会(Advisory Committee on Immunization Practices :ACIP)は、感染歴の有無によるワクチン接種の安全性には特段の懸念はないとしています。
参照:国立感染研究所ホームページ

掲載日付:2021.05.23

カテゴリ:[ 新型コロナウイルス感染症 / 内科 ]

新型コロナウイルスワクチン うったらいつから効くのか?

新型コロナウイルスワクチンの入荷が安定したためか急にワクチン接種が加速している。そんな中、患者さんからは、うってもいいか?病名のところにはなんとかけばいいのかの質問が毎日のようにある。電話だったり外来中にだったり。先日きかれたのは、1回うったら2回目までの間にどれくらい効果がでるの?という質問だ。的をえたいい質問である。早くからワクチンをうっていたイスラエルからは1回目の接種での抑制効果が46-60%というデータがでていた。このたび日本からも国立感染研究所が調査結果をだした。ファーザー社のワクチンをうった医療関係者2月17日から4月30日までのサーベイランスデータから、接種後から何日してCOVID-19にかかったか、その比率を調べた。1回目110万人、2回目まですんだ人104万人 この中で感染した人が282人いた。(接種しても感染者ゼロではないことを忘れてはいけない!)うち接種後28日以内に感染した人は256人 (91.1%にあたる)。10万人あたりの感染数を接種してからの日にちでみてみると、0-13日の感染は1.26人。14-20日 0.53、21日から27日 0.49人、28日以降 0.18人 (0-13日を1とすると、14-20日0.42、21-27日 0.39、28日から0.14)となった。医療感染者であるためリスクの高い作業をされている人も数多く含まれるので一般の人と同じ比率ではないかもしれないが、感染の抑制の流れは参考になる。2週間たつと半分以下の感染率となり、このデータからみるとやはり2回うったほうがいいようである。
町も人が多い。ワクチンうってもかかる人はいる。うっている最中でもかかる人はいる。油断はしないで、多くの人がうつまでもう少し辛抱を。 (国立感染研究所ホームページ参照)

掲載日付:2021.05.05

カテゴリ:[ 新型コロナウイルス感染症 / 医療情報  ]

ワクチンの接種間隔

ワクチンがなかなか手に入らないなら、1回目だけでも多くの人にうったらいいのではないかという意見がある。臨床試験は2回うった段階での効果が95%といっているのだが1回ではそれだけの効果がでるかどうかわからないというわけで、厚労省としてはなかなか認められないというところであろう。ただ海外では延長期間を認めている。4月23日の日経新聞に記事があったので紹介する。
例えばWHOでは1月のガイダンスで供給状況により6週間延長できるとしているし、CDC(アメリカ疾病対策センター)も最大6週間を許容している。フランスは4月にファイザー、モデルナ社のワクチンを6週間に延長、それにより初回接種者が増加、ワクチン接種がすすんでいるイギリスでは最大12週間として1回目の普及を急いだようである。また人口一律同じ配分ではなく感染が進む地域でより積極的に若い人たちも含めてうったほうがよいと思うのである。大阪、神戸、関東大都市圏に優先的に行ってもいいだろう。高齢者が優先とされるが、むしろ施設入居している高齢者よりもウイルスを持ち込む可能性のあるそこで働く人に早くうつべきであり、まだまだうてていない救急隊員、訪問診療などの医療関係者、町役場の人たちなど、どんどん打ってほしい人がほかにいる。連休使ってどんどんうったらよかったと思うのですが。

掲載日付:2021.05.01

カテゴリ:[ 新型コロナウイルス感染症 / 病院行事 報告 ]

スタッフのワクチン1回目終了しました。副反応は・・・

当院のスタッフ向けのワクチンが到着したのは4月19日。ようやくという感じでしたがふたをあけてみると要求した半分量しか到着せずびっくり。皆うつ気持ち満々でしたが、院内の中で優先的にうつ人を決めうち始めました。私たちの病院には-80℃を維持できる冷凍庫はありませんので、配送されたら5日間以内に使用し、一度あけたバイアル(容器)のものは6時間以内に使用という指示でした。よって無駄にしないように6人ずつのグループにわけて接種。また1バイアルから6人分、2バイアルで一人分余分がとれることがわかり、それらを有効に使うこととしました。副反応は1回目はそれほど強くなかったです。打つときの痛みはほとんどありませんが、翌日は筋肉痛がでます。その強さはいろいろですが、私は痛み止めはいらぬレベルで、うった腕を下にしてねるのをやめようかと思うレベルでした。熱が出た人はわずかに数えるほどでした。残りのワクチンは4月28日に到着。あわただしく1回目が終了。とくにかく第4波が来る前に2回目までうっておきたいという気持ちです。2回目は反応が強くでることが先にうっている医療関係者からもわかっているため、休み前に打ちたいですね。

掲載日付:2021.05.01

カテゴリ:[ 新型コロナウイルス感染症 / 研修医 / 内科 ]

5月になりました

ついに当院でも職員向けワクチン接種が開始されました。ワクチンの副反応を経験している方が多いようです。他院で既に、ワクチンを2回接種した私の体験談をお伝えしようと思います。

1回目は3月中旬、左肩に接種しました。
翌日、左肩の筋肉痛と、ごく軽度の倦怠感がありましたが、1日で収まりました。

2回目は3月末、同じく左肩に接種しました。
当日の夜は何も症状はありませんでした。
接種翌日、起床時から倦怠感があり、日中になって倦怠感がひどくなりました。
体温測定したところ37.8℃で、食欲も低下し、怠くて動くのもつらいほどでした。
症状を一言でいうと『咳や喉の痛み・鼻水の症状が欠落した、インフルエンザ』でした。
接種翌々日には症状はほぼおさまり、普段通りの生活をすることができました。ただし若干の倦怠感だけは残りましたが、さらに翌日には完全におさまりました。
周囲の同僚にも聞くとやはり同様の症状があったとのことでしたが、個人差があるようでした。

若年者ほど副反応が出る傾向がどうやらあるようですが、接種人数もまだ少なく、まだはっきりとしたことは現段階では世界中の誰にも分りません。安心を得るためのワクチンなのに、不安がつきまとってしまうのです。今後日本中で接種が進んでいくと思いますが、不安なことや苦しい症状があれば気軽にご相談いただけたら、と思います。

なんとなく曇った世の中ですが、いつかきれいに晴れることを祈って、感染防止に努めていきましょう。
穏やかなゴールデンウイークをお過ごしください。



写真:大楠山のジャコウアゲハ

葉山内科・GIM  文責:石原


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