肺がんCT検診について
日本人の死因の第1位は悪性新生物(いわゆる”がん”)ですが、特に肺がんによる年間死亡数は74,120人(2017年:国立がん研究センター資料)と全てのがんの中で最多です。肺がんはある程度進行するまで症状が現れにくいため、発見された時点ですでに進行がんであることが少なくなく、早期発見が非常に重要です。
現在、肺がん検診としては、胸部X線検査(レントゲン検査)、または胸部エックス線検査+喀痰細胞診の組み合わせが広く行われていますが、胸部X線検査は胸から背中までの厚みのある人体構造を1枚の写真に撮影するため、肋骨や心血管などと重なりが生じ、がん検出率の低さや早期のがん発見が難しい点が問題となっています。このため胸部X線検査に代わり、数ミリ幅人体輪切り画像を作成し、小さな病変も検出可能な胸部CTで肺がん検診を行う施設が増えています。
肺がんCT検診の目的
転移を起こす前の根治可能な肺がんを早期に発見し、適切な治療を行うことで、肺がんによる死亡を防ぐことです。
米国立がん研究所(NCI)より発表されたThe National Lung Screening Trial (NLST) と呼ばれる研究によると、現在もしくは過去に喫煙していた53,000人を対象とし、胸部X線検査および胸部CT検査を毎年受診する2つのグループに分けて5年間のフォローアップしたところ、胸部CT検査を行ったグループについて20.3%の死亡率減少効果が、また総死亡(肺がん以外の原因も含めた死亡)も6.7%減少したことが報告されています。
※肺がんの予防や新型コロナ肺炎の検索を目的とする検査ではありません。
クイック肺がんCT検診をお勧めする方
- 40歳以上の方(40歳未満の方も検査可能です)
- 血縁者(両親、兄弟、親戚など)に肺がんの既往がある方
- 喫煙中(過去の喫煙を含む)、受動喫煙のある方
- その他、肺がんが心配な方
以下に該当する方は、肺がん検診CTをお受け致しかねます
- 妊娠中もしくはその可能性がある方
- 現在、呼吸器疾患(肺がんなど)で通院・治療中の方
- 現在、発熱や明らかな呼吸器症状のある方
- 新型コロナ肺炎検査目的の方
※心臓ペースメーカーやICD(植込み型除細動器)など、体内(胸部)に金属製品が埋め込まれている方は事前にお知らせください(これらの機器本体に放射線を当てると故障の原因となることがあり、一部の装置ではCT検査を行うことができません)。
ご予約(完全予約制)
お電話にてご予約ください。
※問診票・同意書をインターネットからダウンロードして、記入のうえ、当日ご持参下さい。事前にダウンロードできない方は、当日来院後に問診票・同意書の記入をお願いします。
お電話でのご予約(受付時間:平日 13:00~16:00)