心臓疾患のための病院として2000年に開設された葉山ハートセンターは、時代の変化と地域のニーズに合わせて変革期を迎えました。私たち心臓血管外科も生まれ変わりました。伝統を継承しながら地域の方々に密着した医療を目指します。
医師だけでなくすべてのスタッフがチームとして、より良い診察と治療のために尽力いたします。いつでも最良で最新の方法での治療・手術を提案します。
心臓や血管の病気で循環器科では治療できない場合には手術・外科治療が必要になります。私たちは以下のような心臓血管疾患に対する外科治療を行っています。
1.狭心症 心筋梗塞⇒冠状動脈バイパス術
心臓の筋肉に血液を送る冠状動脈に動脈硬化による狭窄ができると、運動時の胸痛が起きて狭心症の状態になります。さらに進行すると心臓の筋肉への血流が途絶えて筋肉が壊死する心筋梗塞に陥ります。複数の血管に狭窄や閉塞がある場合など動脈硬化が高度な場合には狭窄や閉塞の先に血流を流す手術である冠状動脈バイパス術が必要になります。
私たちは心臓が動いたままでバイパス血管を吻合するオフポンプバイパス術を行っています。
2.弁膜症⇒弁置換術 弁形成術
心臓には血液を一方向に流すために開閉する弁が4か所にあります。その弁に異常があるのが弁膜症で、心不全や不整脈を起こす場合には弁を作り直す形成術、人工弁で置き換える置換術が必要になります。術後長期にわたりより安全で合併症や再手術の危険が少ない弁形成術を確実に行うことを心がけています。
弁膜症の手術には心臓の機能を一時的に機械で肩代わりする人工心肺装置を使用します。
3.動脈瘤⇒人工血管置換術
動脈硬化によって脆くなった大動脈が膨れだす大動脈瘤や、血管壁がはがれる大動脈解離が起った場合には人工血管で置き換える手術が必要です。破裂する前には全く症状がないことも珍しくありません。
喫煙、糖尿病、高血圧、肥満、高脂血症などの動脈硬化の危険因子を持った方は注意が必要です。破裂すると突然死につながるために緊急手術を要することがあります。
4.閉塞性動脈硬化症⇒人工血管置換術
手足の血管が動脈硬化で狭くなった場合には狭窄を風船で広げたり、その末梢の血流を回復するためのバイパス手術を行います。歩行時に足の筋肉が痛くなって立ち止まらなくてはいけないような状態を間歇爬行と呼び閉塞性動脈硬化症の症状です。
5.下肢静脈瘤⇒切除焼灼抜去結紮術
下肢の表面の静脈が拡張してむくみや痛みなどの症状がある状態は静脈瘤と呼ばれます。手術によって逆流を止めて症状を改善することができます。
6.その他
成人になってからでも心臓や血管の先天的な異常が明らかになることがあります。症状がある方や今後症状が出る可能性がある場合には手術の対象になります。
長期臥床などによって下肢、腹部の静脈に血栓ができると下肢がむくんだり、血栓が流出すると肺に詰まって致命的になることがあります。このような深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)も治療が必要です。
これらの症状でお困りの方は心臓血管外科におこしください。