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NewYork-Presbyterian Hospital and Weill Cornell Medicine  コロナ渦でのHematology and Medical Oncology devision の対応

2020.06.13

NewYork-Presbyterian Hospital and Weill Cornell Medicine  ここはニューヨークでも最も洗練されたマンハッタンにある大病院の一つで、腫瘍の治療でも最先端をいっている病院である。2018年のデータでは360万人の患者の治療を行い、1万人の医師が働いている。ここはかつて私が留学させていただいていた1999年に研修していた病院の部門でもある。

さてNYで新型コロナウイルス感染症が蔓延していた時、この病院もその渦中にあった。とはいえこれだけの患者をかかえる病院がどのように態勢を変えて治療を継続していったのだろうか。がん患者に対する治療方針は、ひとえに同じ<がん>といっても血液の悪性腫瘍や骨髄移植後の人から、固形がんといわれる胃がん、大腸がん、乳がんなどとは免疫状態も異なる。常に輸血が必要となる人もいる。

外来の一部分は入院病棟になり、新しいICUが作られコロナ対応病棟となった。あとで述べるがその対応チームは各内科からスタッフが送られチームが作られた。
彼らはまずヘマトロジーオンコロジー部門(血液・腫瘍部門)でcrisis cabinetと名付けた特別チームを編成し、そこがリーダーシップをとるようにした。オンコロジー部門はいろいろな先生がたが関与する。誰もが自分の患者を優先したがる中で、ルールを決め、患者の調整し、スタッフの安全を守るための物品調整やチーム編成などあらゆる責任を与えられる。こういうチームをすぐ編成したというところにアメリカの組織編成能力の力を感じる。

対策としてまず外来患者を減らす。そのために患者が治療を急ぐ必要があるのか、延期できるかどうか(ゆっくり成長するがんもある)を腫瘍学会の出しているガイドラインをもとに調整、そして2つ目にアメリカでもそれほどまだすすんでいなかったtelmedicine 、日本でいえば遠隔診療、オンライン診療だがこれを強力に推進した。患者一人一人がそれに適応するかどうか評価、そしてそれを支援するスタッフ準備、患者がやれるとなったら24-48時間前に近隣の医療施設で採血をしてもらって、その採血をもとに評価し指示をする。2月の第1週では前回の患者受診の1%だったtelmedicineが4月はじめで55%に。しかも新患71人のうち61人がtelmedicineで行われた。アメリカでもこのくらい少なかったオンライン診療が一機に広まり、彼らは感染が終息してもこのシステムをやめる気はないといっている。これからこの危機時以外にも変わってくる新しい診療の可能性を強く感じる。

さて受診する必要のある患者は前もって電話訪問して症状と感染者と接触があるがどうかをきき、疑いのある例は、自宅待機を指示したり、来院指示をそこでだす。また外来受診時にもまずすぐに看護師が体温などをチェックする。最初からコロナ疑似症例は、血液腫瘍部門の別のところに設けられた場所で対応するようにした。そこは一般のコロナ感染症疑いの人がくるところ(救急外来、ER)とも別のところであり、受付はリモートで行い、血液や薬品を搬送する人を特別に準備。そこではPCR検査などを行い待機する場所以外にコロナ陽性で自宅待機中だが点滴、輸血などが必要な人が待機できる場所も用意していたようだ。(すべての人を入院させられる状況ではなかったですからね)
また病院全体で新型コロナウルスに対応していたため、全内科、専門部門からもスタッフをコロナ対策用に人員が召集されてICU、夜間当直などの勤務をになった。また外来担当者もチームを作成。できるだけ接触が少なくなるように工夫。ただし入院患者で診療を続けなくてはならない、造血器腫瘍(血液腫瘍:白血病やリンパ腫など)と骨髄移植を扱うチームは感染しないように別でチーム編成されたようである。だいたい外来部門の仕事は50%減、そうすることで医師などのスタッフも50%程度コロナ対策に移動させられた。

大きな1万人規模の医師、さらに大勢のスタッフがいる中で、それらの人的資源を分配し活用し、次々とくる重症の新型コロナウイルス感染の対応とともに一般がん患者の対応もして相当な危機的な状況であったと思われますが、それでも得た経験は大きいものがあることでしょう。そしてこれが参考になればと発表されたのだと思います。私はtelmedicineが一気に広まり、さらにそれを続けたいとスタッフが強く思っているところに注目し参考にしたいと思います。

 

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