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隠れたCOPDの患者さん

[ 内科 ]  当院からのお知らせ

2018.07.26

先日外来でみている患者さんに付き添っている夫のかたが入ってきてやや息がきれているようなので喫煙していませんか?ときくと長い間喫煙しているという。どこか病院かかってますか?健診していますか?ときくとかかっていないしレントゲンもとっていないらしい。これはCOPD(慢性閉塞性肺疾患)ではないかと思い検査をすることとした。採血、レントゲン、肺機能、CT検査を行った。

COPDは呼吸器疾患としてメジャーな疾患で、喫煙と大きく関係している。ただ気管支喘息が吸入ステロイドにより著しく予後が改善し死亡例も減少しているが、COPDの死亡者数は頭打ちで年間16000人程度だという。COPDをとめるには禁煙が最重要課題であるが、最近喫煙患者さんが減ってきていてもCOPDの死亡者数が減っていないのには、以前の喫煙者が退職後健診をうけていないこと、高齢化、また重症化するまで診断されない、病院にもいかないといいうことがあるであろう。隠れた患者さんがまだまだいるということである。この患者さんも進行して症状がでてみつかっているわけである。

COPD患者も抗コリン薬などの治療に伴い症状はコントロールされるようになってきた。最近の話題は、このCOPDの患者さんでは併存する疾患がとてもたくさんあるということ。それらも一緒に全身的にみることが必要なのである。COPDでは高脂血症や高血圧、虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)、脳血管疾患、慢性腎臓病などの生活習慣病関連の疾患が多いというデータが欧米人データであるがだされている。これにはCOPDの肺で炎症性の物質が作られてそれが全身に広がることが関係しているだろうともいわれている。また呼吸が苦しくなることで活動性が低下する、つまり動かなくなることも影響しているといわれている。この呼吸が苦しくて動かないことでも骨粗鬆症、さらにはサルコペニア(筋量が低下すること)も予後に影響する重要な問題として取り上げられている。また呼吸苦があるということは不安が増強する。鬱的にもなってきたり、低酸素が関係するかもしれないが、認知症がおきる比率も高いといわれる。
COPDの患者さんをみていくうえでもう一つ大切なことは肺がんの発症比率が高いということ。扁平上皮癌が多い。重症のCOPDほど肺がんの比率は高く9-20%と報告されている。(Am J Respir Crit Care Med186:155-161,2012)  
ということでかつてもしくは喫煙されていたかたで、運動や階段などで息切れを感じるかた、あまり肺の検査をうけていないかたはぜひ医療機関で検査を一度うけてみてください。

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