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若年者の低HDLコレステロール 治療したほうがいいの?

[ 内科 / 医療情報  / 循環器 ]  当院からのお知らせ

2020.05.19

若い30代前半の男性で、家族が60歳で心筋梗塞になったけれども、自分もHDLコレステロール(HDL-C)が低い(40以下)とだけ前からいわれており他の脂質系、血糖値はいいのだが、治療を考えたり検査したほうがいいのかと質問をうけました。通常、本人に肥満、糖尿病、慢性腎臓病、非心原性脳梗塞(心臓由来の血栓がとんだものではない脳梗塞)、末梢動脈疾患(足の血管がつまる)がなく、喫煙しない、血圧も正常であり、第一親等に冠動脈疾患の既往が若くしてある場合(男性なら55歳未満、女性なら65歳未満)でなければ、冠動脈疾患を発症する可能性は低く、HDLが低いだけでは治療、検査対象にはならないと考えられます。日本には吹田スコアによる冠動脈疾患発症予測があります。この危険因子点数計算は35歳からです。その点数により低リスク(10年での冠動脈リスク2%未満)、中リスク(同じく2-9%未満)、高リスク(同じく9%以上)と分類され、目標とするLDL-C、TG(中性脂肪)、HDL-Cの値が日本動脈硬化学会からでているガイドラインにより定められます。たとえ若くても、そのかたに冠動脈疾患があれば2次予防として治療開始、糖尿病、慢性腎臓病、非心原性脳梗塞、末梢動脈疾患があれば高リスクになり目標値にあわせて治療対象となります。HDL-Cがあがるとされる薬にはフェノフィブラート(商品名リピデイル)、ナイアシンがありますが、でもHDL-Cだけを上昇させることの効果には議論がありリスクをさげられるとはされていません。しかし有酸素運動はHDL-Cをあげるというデータがあります。しかも運動時間と正の相関を示したそうです。週に121分以上の運動でHDL-Cが優位に増加したとされます。このかたには運動のすすめ、速歩やスロージョギングがすすめられます。

参考文献 動脈硬化性疾患予防ガイドライン2017年版

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