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糖尿病の人にアスピリンをのむと初発の心筋梗塞や脳卒中は予防できるのか?

[ 内科 / 医療情報  / 循環器 ]  当院からのお知らせ

2018.09.08

糖尿病の人では心筋梗塞や脳卒中のリスクは2-3倍高いとされている。そして狭心症や心筋梗塞、脳梗塞を一度おこした人は次におこさないようにするためにアスピリンを内服する(2次予防)ことは行われている。それでは、糖尿病の人で今までそのようなことを起こしていない人に対して前もってのんでおくことは有用かということをみるために大規模な研究が行われその結果が発表された。対象は40歳以上の糖尿病でこれまで心臓血管系の病気のない人をアスピリンを1日100㎎飲む群 7740人とのまない群7740人に割り付け、平均7.4年間観察。心臓血管系のイベント(心筋梗塞、脳卒中、TIA,心血管死)はアスピリン群8.5%, のまない群は9.6%でおきた。RR=0.88 P=0.01でアスピリンはそれらの発生を抑制させていた。しかしアスピリンは血小板機能を抑制し出血リスクがある。その出血として大出血(頭蓋内出血、失明の恐れのある眼の出血、重篤な消化管出血など)を比較するとアスピリン群では4.1%,のまない群では3.2%で、アスピリン群が多かった。その内訳として消化管出血41.1%, 頭蓋内出血が17.2%であった。以上から心血管系のイベントを抑制する効果はあっても出血のリスクによりその利益が打ち消されてしまう結果となったと述べている。
つまり糖尿病にとって心臓血管系の疾患は予後や活動性に影響を与える重要な合併症であるが、それらを予防する効果はアスピリンにはあるが、出血しやすさには注意が必要で、全体としてそれらの疾患をもっていない糖尿病の人には利益があるとはいえないということです。(NEJM August 26, 2018)

 

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