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日本内科学会総会 緊急シンポジウム 脇田隆字先生の講演

[ 新型コロナウイルス感染症 / 内科 / 医療情報  ]  当院からのお知らせ

2020.08.11

2020年日本内科学会総会 8月10日緊急シンポジウム 脇田隆字先生が最初の演者として講演なさった。脇田先生は国立感染研究所に属され、国のアドバイザリーボードの座長を務められている。お顔はテレビでも何度か拝見されたかたである。先生がたの講演は、我々がどうしてもメデイアからの情報が中心となる中で、改めて何が事実なのかを確認することができてとても有用であった。それを皆さんにも紹介する。

すでにわかっていることも復習の意味で記載する。
(1)コロナウイルスは人畜共通感染症であり、多くの動物に存在する。風邪をひきおこすもの4種類、肺炎をきたすもの2種類(SARS,MERS)+新型コロナウイルス。 COVID-19 は呼吸器感染症であり、これまで言われているとおり80%が軽症で7-10日で軽快にむかうが20%が重症化する。そしてSARSとの大きな違いは軽症から中等症、さらに無症状の患者が多くいてウイルスを排出するというのが特徴。そして感染のさせかたとして5人陽性者がいたら全員が1-2人に移すのではなく、5人のうちの4人は感染させないが、一人が多くに感染させるということが伝播の特徴。これらがクタスター発生になるのだという。

(2)重症者の経過は、肺炎になってさらにARDS、サイトカインストームとなる。それらが血管内皮障害をおこし血管炎をおこし血栓症、あるいは多臓器不全にいたる。しかしその詳細な解明はまだこれからである。

(3)ウイルスを遺伝子ゲノム解析されてわかっていること。2月は武漢由来のウイルスでそれらは完全に制御できたが、3月にEUから入ってきたウイルスが4月の第一波をおこし、その残りが今の第2波をひきおこしているという。(これは私の意見だが、海外からの持ち込みを早期に積極的に抑えた同じ島国である台湾やニュージランドがウイルス制御できているところはここにあるのかと思いました。)

(4)実行再生産数が関東圏では7月18日の時点で1.1くらい。これが1を切れば抑えられるということであるが、大阪など関西圏ではまだ1.6くらいなので時間がかかるであろうと。(私見:関東圏では8月9日現在まだまだ患者が増えているのだが・・・これは楽観視していいのだろうかと疑問に思った。でもこれがゆえに政府もあまりあせっていないのだろうかともおもった。

(5)6月までの患者と7月までの患者の比較がグラフで示された。7月に入り重症者はやや増加しているが、無症状の人はもっと増えている。男女比に差はないが、圧倒的に7月以降は20-30代の若年層患者の増加であり重篤な肺炎は少ない。6月以前が7.3%だったのに対して7月以降は0.4%

(6)日本の対策としては、陽性者がいたらその周囲だけでなくさかのぼってどこでクラスターがおきたのか、さかのぼり解析をしてつきとめ、どのような対策をほかでもするべきかを提言していっているという。どこでも同じような基準で対策をというのではなく特殊な場所でクラスターがおきているのがわかってきていると。昼カラオケ、夜の街関連、居酒屋、院内感染(休憩室など)、老人施設など。これらにより重点をしぼって対策をしていくと。クラスターを閉じるそれがとても大切だと話されていた。(私見:個人というよりも公衆衛生的な観点で、クラスターを発生させて爆発的な患者像にならないことに対策の焦点を移し、あとは個人のふだんの対策にゆだねるということなのですね。)

(7)8月6日アドバイザリーボートで出されたコメントとしては、会食を介して感染している場が多いこと、現在重症者が少ないのは、若年層が多いこと(多くの高齢者は本当に自ら気を付けていると思う)、早期に診断し重症化予防策がとられるようになってきていることがあると。現在対策として、クラスターを早期に突き止め、対策していること、本当に市中感染(どこでもかかる)というわけではないので、オフィスやスーパーなど互いにマスクなど対策をしていれば行動は可能である。

(8)ワクチンについてはウイルスベクターをもちいたもの、遺伝子ワクチン、サブユニットワクチン、最後に不活化ワクチンがでてくるであろうが、大切なのは有効性とともに安全性であり、そこに最大限の注意をはらう必要があると。これまでSARS、MERSのワクチン開発でもワクチン投与後に感染が増悪する症例があり問題となった。(私見:世界がワクチンにとびつこうとしているが、重症化がさらに減るのであればインフルエンザと同じような対応でできる可能性があり、抗体ができるという有効率だけでなく安全性もみてから日本に導入したほうがよいのではないかと改めて思った。)

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