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新型コロナウイルス感染症 NYCの市民病院での1150人入院患者のデータを公開

[ 新型コロナウイルス感染症 / 内科 / 医療情報  ]  当院からのお知らせ

2020.06.12

ニューヨーク市は3-4月に新型コロナウイルス感染症のパンデミックがおきたことは報道で我々も知っていますが、いずれの情報もマスコミ、あるいはその場での経験されたかたの情報がSNSなどを通じてもたらされました。そのニューヨーク マンハッタンにあるコロンビア大学付属の病院で入院した1150人のデータが発表されました。その内容をみてみましょう。

3月2日から4月1日までの1150人の入院患者のデータを解析しています。とても大きなデータの解析であること、データ集積が均一で採血も含めてしっかり集められていることが特徴です。そして患者数も新規入院が4月上旬がピークであることからまだまだ患者が増加しているときのデータです。
平均62歳で男性67%、22%は重症化していて急性の呼吸不全を呈しています。82%が慢性疾患をもっており、中でも多いのが高血圧63%、糖尿病36%、肥満46%でした。79%が挿管・呼吸器管理され、66%が昇圧剤、31%が腎臓代替療法(つまり透析)を要したということで、かなりの重症患者が入院していたのだと思います。日本よりも重症患者が多い印象をもちます。4月28日までに39%が死亡されています。これまでの報告と同様に、高齢、心臓疾患、呼吸器疾患をもつことは死亡率に関係し、採血のマーカーではIL-6上昇、D-ダイマー上昇が危険因子で、より重症度が高い人、死亡率と関係していました。腎代替療法を必要とする人が多いのも特徴です。なぜ新型コロナウイルス感染症で急性腎障害がおきてくるのかメカニズムが完全にわかっているわけではありません。また肥満もBMI>40は独立した危険因子(肥満は高血圧、糖尿病になるからということとは別で)となっています。このメカニズムもわかっていません。

国により入院基準は変わるし、時期によっても変わるでしょう。これは感染拡大がまさに続いていたときのデータであり、そのデータ集積をしっかりやっているところに保健行政としての力を感じます。また人工呼吸器が足りない足りないといっていましたが、まさに人工呼吸器を必要とする人がこんなにいたなんて・・・とびっくりします。

Lancet 2020; 395: 1763–70

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