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新型コロナウイルス感染症 老人ホームでも無症状患者に注意

[ 新型コロナウイルス感染症 / 内科 / 医療情報 ]
当院からのお知らせ
2020.05.09
[ 新型コロナウイルス感染症 / 内科 / 医療情報 ] 当院からのお知らせ
2020.05.09
アメリカで最初の新型コロナウイルス感染者の報告がでたのは2020年1月20日。その後2月にかけて徐々に患者数が増え始め、各地でアウトブレイクが起きるようになった。ワシントン州のキング郡にある管理の行き届いた高齢者施設で2020年3月1日医療従事者がCOVID-19 陽性と診断された。そしてその後施設内でアウトブレイクがおきたその報告がまとめられており紹介します。
施設は116床あり4つのユニットに分かれている高齢者施設。3月1日にスタッフの陽性がわかったあと、施設で最初の陽性患者となったのが3月3日(3月2日から症状あり) 3月13日までに、この施設の6人の居住者が入院となり1人が家へ帰った。3月13日、残っていた82人の居住者のうち76人がPCR検査を受けた。検査陽性となった居住者23人(30%)のうち、11人(48%)は検査当日に症状がみられたが、12人(52%)は無症状であった。無症状であった12人の居住者のうち11人にもその後症状がみられた。また3月13日に陰性であった52人についてはフォローがされ7日後に再検査がされたが(うけたのは49人)、24人(49%)が陽性となり、うち15人が無症状(62.5%)であったがそれらの人たちもやがて2人を除いて症状がみらえた。
この事実は、COVID-19は症状に関係なく感染性があることを示唆していて、高齢者施設は防護用品なども十分でない中で容易に感染が広がることを示した報告だと思う。筆者は居住者の症状だけではすべての感染を特定できないので、COVID-19患者を施設内で確認したら、個人防護具を着用して、すべての居住者をウイルスを保菌しているかもしれないとしてケアする必要があると述べている。日本でも介護施設内の感染報告があるが、今後人の行き来がまた戻ってきたときに、家族面会をどうしていくのか、またスタッフの感染にも留意しながら介護施設、高齢者施設をどう守っていくのに、管理者は苦悩することであろうと思われる。