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新型コロナウイルス感染症  小児の急性ITPの症例

2020.05.22

新型コロナウイルス感染症の感染そのものでなく、それに関連する免疫的な疾患の報告がみられる。血液疾患として頻度の高いITP(immune thrombocytopenic purpura)は急性の発症をする場合と慢性的に徐々に血小板が低下する場合とに分かれるが、小児では急性発症が多く小児のITPの2/3は先に感染症がおきているといわれている。その原因菌としてはサイトメガロウイルス、EBウイルス、C型肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、インフルエンザなどが知られているが、当然コロナウイルスもあるであろうと予想される。新型コロナウイルス感染症のあとにITPを発症した10歳の女児の報告が小児科の雑誌に報告された。(アメリカのロードアイランド州の大学病院からの報告)その女児は両側下腿、胸部、頸部に紫斑と思われる発疹が広がり口腔内にも紫斑がでて救急外来に受診したが、3週間前に2日間ほど全身倦怠感、咳、38度の発熱が新型コロナウイルスに暴露をうけたあとにみられ、その後は2.5週間ほど特に症状もなかった。(PCR検査はしていないのだと思われる)受診時には血小板数は5000/μL(普通は15-30万/μL) 5000程度となると自然に脳出血や消化管出血もおこしうる怖いレベルの血小板数である。そこで新型コロナウイルスのPCR検査をしたら陽性であったと(まだウイルスをもっていたのか?新感染なのか?)。大量のグロブリン投与を行い(1g/kg) 翌日退院(これがアメリカの医療だ! 日本なら当然入院継続!) 退院後は電話訪問で対応。48時間で紫斑が改善、熱が続き腹痛も続いたが大量グロブリンの副作用と考えられた。退院後2週間でのデータでは血小板数は32万/μLに回復したという。しかし一部の小児では慢性ITPに移行することもあるため注意深く観察する必要がある。

このように感染症のあとに急性に突然血小板が低下する急性ITPを起こすことがあるが、成人に多い慢性ITPの一部も感染症が関係することがある。今後半年、1年後にITPの報告がみられた時に新型コロナウイルス感染の既往があるか、問診できくように心にとめておこう。

DOI: 10.1542/peds.2020-1419

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