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健康な高齢者がアスピリンをのんだら長生きするのか?

[ 内科 / 医療情報  ]  当院からのお知らせ

2018.09.18

糖尿病の人に対するアスピリンの心血管系イベント1次予防効果の大規模研究結果が先日だされたことを報告したが、今度は、健康な高齢者を対象にして、アスピリンをのんだら血管系の合併症がおきなくて長生きするのかどうかをみるこれまた大規模な研究結果が発表されましたので紹介します。
 70歳以上(アメリカの黒人とヒスパニックでは65歳以上)で心臓血管系の病気(心筋梗塞、狭心症、脳卒中など)がなく認知症もなく麻痺などのないかたを対象に、1日100mgのアスピリンを飲む群とのまない群とにわけて心臓血管系のイベントがどうなるのか、全死亡率がどうなるのか、認知症や麻痺などの活動性低下などがどうなるのかを観察期間平均4.7年で19114人が参加して調べられた。
 結果はまず心血管の病気発生は、アスピリン群では1年で1000人あたり10.7件に対してのまない群では11.3件、(hazard raio 0.95 95%CI 0.83-1.08 ) 逆に出血はアスピリン群では1年1000人あたり8.6件に対して飲まない群では6.2件(hazard ratio 1.38 95%CI 1.18-1.62 P<0.001)となり、心臓血管系のリスクは減らさずに合併症の危険のほうが高まるという結果となりました。
 また死亡や認知症あるいは麻痺などの身体機能低下になる率も、1年1000人あたりアスピリン群21.5件、飲まない群21.2件と差がなく、また全死亡率についても1年1000人あたりアスピリン群12.7件、飲まない群11.1人となりむしろアスピリン群のほうが高くなりました。これにはがんに関係する死亡が多かったとなっていますが結果には観察期間が短いこともあり注意が必要であると述べています。

ということで元気な血管系の疾患のない高齢者にただアスピリンをのませても心臓血管系の合併症を減らす効果もなく生存率にもよい影響は与えず、出血のリスクが高まるだけであることがわかりました。(NEJM Sep16,2018 ) ただなんとなくアスピリンがのまれている患者さんをみかけることがあります。本当に意味があってアスピリンを投薬されているのか、これは出血のリスクにもつながるわけで投与を確認する必要があります。

 

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