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新型コロナウイルス感染症  抗体療法の効果は?

2020.06.13

回復した患者さんの抗体をいれたら早くよくなるに違いない。そうだれしもが考え、研究が行われていると耳にします。でも本当にきくのか?新型コロナウイルスの治療はどれも確立されていないといえます。特に抗体に対する治療評価はまだまだです。そんな中、6月はじめに中国から報告がでました。
103人の患者さんを対象に、新型コロナウイルス感染症から回復した患者からとった抗体を投与したグループとそうでないグループ(52人対51人)で28日目における症状改善を調べた研究です。

患者さんの平均年齢は70歳、重症患者さんを対象としていて、酸素が必要なレベルの重症のかたから、ショックや多臓器不全、人工呼吸管理されているかたの超重症のかたまでが、重症度にあわせて2つのグループに割り振られている多施設無作為試験です。予定は200人を目指していましたが、流行の収まりにより早期に終了となりました。治療評価項目の1番は、28日目の状態改善しての退院か、重症スコアが2ポイント以上回復するというもので、それ以外に2次的な評価項目が設定されました。
 結果は評価項目の28日目の改善評価では抗体投与グループで51.9%、投与しないグループで43.1%と差が認められませんでした。ただ重症(酸素投与レベル)の患者だけでみると28日目での改善率は、投与グループで91.2%、しないグループで68.2%と差があり、超重症レベル(ショックや多臓器不全、人工呼吸器など)だと20.7%VS24.1%で差がなくなります。28日目での死亡率は投与グループで15.7%、投与なしグループで24.0% これも統計的な差はないそうです。ただ72時間後にPCR検査が陰性になる率は投与グループで87.2%、投与しないグループで37.5%と差がありました。

研究が早期に終了して半分の患者さんしか登録されていないところから研究としては28日間の改善によい結果がでなかったのかもしれません。もう少し大きい研究を再度行うことでよい結果がでてくる可能性はあります。特に超重症になってしまうと厳しそうですが、その前の段階でリスクの高い、高齢者や免疫低下、肺疾患などをもつ人に投与すると救えるかたが増える可能性があるかもしれません。

JAMA. Published online June 3, 2020. doi:10.1001/jama.2020.10044

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