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掲載日付:2018.08.01

カテゴリ:[ 病院行事 報告 ]

電子カルテ リニューアルスタート


8月1日から新しいバージョンの電子カルテとなりました。電子カルテは単なるカルテという役割ではなく、様々な検査機器やプリンターなどの周辺機器、会計機器などともつながっています。そして膨大なデータが日々蓄積されていきます。この電子カルテを新しくするにあたり病院では2か月以上前から準備を重ねてきました。電子カルテの動きも悪くなっているものがありましたのでそれらを入れ替えましたが、電子機器の発達は早いので、以前購入している周辺機器が新しいバージョンの電子カルテにつながらないなどの問題がありました。患者さん受け付けなども少し変わります。患者さまにはできるだけご迷惑をかけないように対応いたします。ご協力よろしくお願い申し上げます。

掲載日付:2018.08.02

カテゴリ:[ 内科 / 病院行事 報告 ]

三浦市にて公開講座 貧血と多血症の話


これまで三浦市で公開講座をしたことがありませんでしたが、血液疾患のお話しをさせていただこうと思い、三浦市勤労市民センターにて講演をさせていただきました。15名ほど集まっていただけました。みなさん素朴な方々で、真剣に、そして居眠りすることなくとてもよくきいてくださいました。近所の人などを誘ってきてくださったとのこと。終わったあともとても気分よく帰ることができました。ぜひほかにもやってほしいというご意見や、ハートセンターが紹介状なしでも受けてくれるということに驚きを感じておられるようでした。今後もまた違うテーマでお話しさせていただこうと思います。

掲載日付:2018.08.02

カテゴリ:[ 血液疾患 ]

CHIPって? clonal hematopoiesis of indeterminate potential 第1話


CHIP という新しい概念が血液疾患の領域でうまれてきています。CHIP? ポテトチップス? なんて思われるかたもいるかもしれません。
近年遺伝子の検査が大量に短時間で行われるようになりました。特に血液疾患の領域では細胞が多くとれることもあり、その遺伝子を調べてどこか問題で病気になっているのかという解析が進みました。その中でわかってきたことは、年をとると別に正常の血液検査であっても血液の中にクローン性造血(ある1種類の細胞のコピーがどんどん作られていること)が行われている人がいることがわかってきました。これをCHIP(clonal hematopoiesis of indeterminate potential) といいます。この概念は、M蛋白ができているけれども多発性骨髄腫にならないMGUS(Monoclonal gammmopathy of undetermined significance) というものや、悪性リンパ腫にならないけれども血液の中にあるクローン性のB細胞増加(MBL:monoclonal B-cell lymphocytosis)とよく似ているとされます。(一般のかたには少々難しい話になりました。)

CHIPの患者さん、これらの人のほとんどは急性白血病やMDS(骨髄異形成症候群)という血液の病気には発展しません。(急性白血病やMDSは悪性細胞のクローン性造血が著明になった結果です。)クローン性造血が始まっているのに、なぜ最悪の事態に進展しないのか? そもそも老化とクローン性造血との関係はなにを意味するのか? 難しいので次回にまたお話しをすすめていきます。

掲載日付:2018.08.03

カテゴリ:[ 血液疾患 ]

CHIPとは 第2話 老化?血液疾患?


CHIPとは新しい血液領域の疾患概念である。というよりも前疾患の状態、あるいは老化でみられる状態ともいえるだろうか。
前回説明したように、疾患の遺伝子が細かく大量に調べられる時代になって、MDS(骨髄異形性症候群)に関連する遺伝子(その変異)がわかってきて、病気の進展するメカニズムも解明されつつある。ところがそのMDS関連遺伝子の変異は、まったく血液に異常のない、正常と思わえるとくに高齢者の人にもみらえることがわかってきた。40歳くらいであるとほとんどいないのに、70歳くらい以上になると2%、報告によっては5-6%というものもある。それは年齢とともにさらにその比率は上昇し90歳以上であると18.4%という報告もある。
この血球数に全く異常はないのに、MDSと同じような遺伝子異常をもった細胞が血液中にクローン性に増加している状態をCHIPというのである。その関連遺伝子としてはTET2, DNMT3A,ASXL1, TP53, などが含まれている。
さてこのCHIPの人たち、血液的な異常は今はなくても、遺伝子変異を持たない正常の人と比べて将来血液の悪性疾患になる率は8年くらい観察すると10倍も高いとされる。だがMDSほどには急性白血病にはなるリスクは高くないのである。また全死亡率も高いとされる。その中に心筋梗塞などの冠動脈疾患や脳梗塞になるリスクも2倍程度に高いという研究結果が昨年だされた。これには私もなぜ?と驚いた。このCHIPと冠動脈疾患の話は次回お話しします。(参考文献:Blood.2015;126(1)9-16)

掲載日付:2018.08.03

カテゴリ:[ 医療情報  / 血液疾患 ]

CHIPとは? 第3話 動脈硬化性心疾患との関連


CHIPという、骨髄異形成症候群ににた遺伝子異常をもつ細胞は増えているのに血液は正常という状態の人は、将来的に血液の腫瘍(例えば白血病など)になる率が高いのは前回述べました。でもさらにおもしろいことは、このCHIPが動脈硬化に伴う心血管系の病気の比率も2倍程度と多いことが研究でわかってきました。これは驚きです。

昨年発表された研究はとても大がかりなもので、4726人の冠動脈疾患のある人と、対象となる3529人のサンプルを遺伝子解析してCHIPと冠動脈疾患の関係をみたもの。ここでだされた結論はCHIPにあてはまる人は冠動脈疾患となるリスクが約2倍あること、早期心筋梗塞となるリスクは4倍、いずれの遺伝子変異(DNMT3A, TET2, ASXL1, and JAK2 )も冠動脈疾患のリスクをあげるということです。また疾患だけでなく、冠動脈の石灰化を起こすこともわかってきました。マウスの実験ではTET2の遺伝子をノックアウト(なくしてしまう)と(つまり人工的に異常をおこした)、大動脈に石灰化を起こすことが証明されました。そしてその変異の細胞の量が多いほど、動脈硬化性疾患のリスクは高くなるそうです。
ではなぜ遺伝子変異が動脈硬化や石灰化と関係するのでしょうか?
それにはマクロファージが関係するということです。マクロファージは炎症に関係する細胞です。TET2遺伝子が欠損するとマクロファージによる炎症が進展しそれが動脈硬化をもたらすことが動物実験で確認されています。つまり遺伝子異常によりマクロファージを介して血管での炎症が活発化して動脈硬化が進行し血管性の病気がおきるというわけです。
両者(CHIPも冠動脈疾患も)とも老化とともに頻度のあがるものです。血液細胞の老化が血管の老化にも結び付くというわけでとてもおもしろいと思います。動脈硬化を治すのは難しいけれど、この炎症を抑えることが細胞治療としてできたら面白いと思いました。(参考文献 N Engl J Med 2017; 377:111-121)


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