発作性に急に血圧が高くなる病気 褐色細胞腫5 治療
著明な高血圧が心筋障害,心不全,虚血性心疾患,高血圧,高血糖を生じ,脳心血管イベント発生のリスクとなるため、まず診断されたら血圧をさげるための降圧剤の開始が必要となる。降圧剤の使用にポイントがある。
第一選択薬となるのがα遮断薬である。一般の高血圧で第一選択薬になることはない薬である。
プラゾシン(ミニプレス)、ドキサゾシン(カルデナリン)という薬剤があるが作用時間が長いドキサゾシンがよく用いられる。1 ~ 2 mg/ 日から開始し,血圧が目標値まで低下するよう 2 ~ 3 日ごとに 増量していく。高齢者では起立性低血圧をきたしやすい薬剤であることに注意が必要である。
降圧不十分な場合,Ca 拮抗薬を併用する 。
頻脈・頻脈性不整脈,心筋障害,心不全,虚血性心疾患合併例でβ遮断薬を併用するがもっとも重要なこととして第一選択薬のα遮断薬より先にβ遮断薬の投与はしてはならないということである。通常α遮断薬を開始してから数日後にβ遮断薬を使用することが望ましい。
α・β遮断薬はラベタロール(トランデート )とカルベジロール(アーチスト )があるが,α遮断薬もβ遮断薬の作用もあるからいいかと思われるが、β遮断作用がα遮断作用より強く血圧上昇発作の危険がありすすめられない。
手術ができるようであれば手術が推奨される。
参考:褐色細胞腫・パラガングリオーマ 診療ガイドライン2018