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CHIPとは 第2話 老化?血液疾患?

[ 血液疾患 ]  当院からのお知らせ

2018.08.03

CHIPとは新しい血液領域の疾患概念である。というよりも前疾患の状態、あるいは老化でみられる状態ともいえるだろうか。
前回説明したように、疾患の遺伝子が細かく大量に調べられる時代になって、MDS(骨髄異形性症候群)に関連する遺伝子(その変異)がわかってきて、病気の進展するメカニズムも解明されつつある。ところがそのMDS関連遺伝子の変異は、まったく血液に異常のない、正常と思わえるとくに高齢者の人にもみらえることがわかってきた。40歳くらいであるとほとんどいないのに、70歳くらい以上になると2%、報告によっては5-6%というものもある。それは年齢とともにさらにその比率は上昇し90歳以上であると18.4%という報告もある。
この血球数に全く異常はないのに、MDSと同じような遺伝子異常をもった細胞が血液中にクローン性に増加している状態をCHIPというのである。その関連遺伝子としてはTET2, DNMT3A,ASXL1, TP53, などが含まれている。
さてこのCHIPの人たち、血液的な異常は今はなくても、遺伝子変異を持たない正常の人と比べて将来血液の悪性疾患になる率は8年くらい観察すると10倍も高いとされる。だがMDSほどには急性白血病にはなるリスクは高くないのである。また全死亡率も高いとされる。その中に心筋梗塞などの冠動脈疾患や脳梗塞になるリスクも2倍程度に高いという研究結果が昨年だされた。これには私もなぜ?と驚いた。このCHIPと冠動脈疾患の話は次回お話しします。(参考文献:Blood.2015;126(1)9-16)

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