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クロストリジオイデス ディフィシル感染症に対する講演会

[ 病院行事 報告 / 医療情報  ]  当院からのお知らせ

2018.06.25

葉山ハートセンターでは6月25日に、湘南鎌倉総合病院感染対策室の佐藤守彦先生をお招きして、クロストリジオイデス ディフィシル感染症に関する講演会を開きました。まず知ったのはこれまでクロストリジウムといっていた菌の名前が、知らない間に変わっていてクロストリジオイデスとなっていたことでした。
この菌は抗菌薬関連下痢症の15-20%をしめ、乾燥に強くアルコールなどの消毒薬にも抵抗性であるため(ふつうのよくある液体のアルコール性の消毒薬では十分でないのです。)病院環境を広く汚染します。健常人でももつ菌であるため下痢のない人に検査を行う必要はないのですが、抗生剤を使用している人がある時期から下痢をし始めたらまず検査しなくてはならない菌です。多めの便を採取して分離培養検査をします。経験のある看護師さんでは、これCDの下痢よ・・・とにおいでわかるかたもいます。
この菌は毒素を産生します。CDトキシンAとCDトキシンBがありますがBのほうが細胞障害活性が強いとされます。毒素は炎症性のサイトカイン産生を促進し、また腸管上皮細胞のtight junction(つなぎ目)を傷害することにより腸管上皮のバリア機能を低下させます。そして下痢するのです。
GDH抗原は クロストリジオイデスがいるということを小目することが可能で検出感度が90-100%とよいものです。しかし毒素を産生していない菌である可能性もあります。

検査はまずGDH抗原検査でスクリーニングをして、次に特異度が高い検査であるCDトキシン(陽性なら間違いなし)を調べます。しかしこれらは治療効果の判定には使えません。

治療には軽症の初回治療にはメトロニダゾールを用いますが、長期投与では脳症のリスクがあります。中等症や再発症例ではバンコマイシンの内服(点滴は効果なし)、メトロにだぞーるの点滴を行います。新しい治療としては昨年からは再発症例で重症な症例にCDトキシンモノクローナル抗体の点滴が発売されていますが、薬価は高く使用する症例は限定されます。また他人の便の移植も欧米では再発症例に行われていますが日本ではまだおこなっている施設は少ないようです。

高齢者に抗生剤を使用することが多い現代においては、問題となる疾患であり注意を要する疾患であり勉強になりました。

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