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人と動物の虫垂の話

[ 医療情報  / 読書 ]  当院からのお知らせ

2020.05.01

虫垂炎は典型的には最初はきけや心窩部といわれる胃のあたりに痛みが不快感があったあと右下腹部に痛みが生じるよくある感染症疾患。抗生剤で治療することもあるが、手術適応になることも多い。高齢者では典型的な症状でなかったり、痛みの位置が典型的でないこともある。簡単なようで診断が難しい虫垂炎である。

虫垂はそれ自体退化した痕跡のあとで機能はないと学生時代(だいぶ前ですが)習いました。
虫垂炎予防のために胃の手術などで開腹したついでに虫垂を切除したりもしますが、この虫垂の働きが意外にも重要であるとの報告があります。

虫垂を切除した患者さんには,偽膜性腸炎(抗生剤なので腸の細菌のバランスが崩れて下痢がおきる)の頻度が,切除していない患者さんに比べて高いという報告です.虫垂に善玉菌がいて,虫垂は腸内細菌のバランスが崩れたときに,正常に戻す補充の役目をしていると考えられるそうです。しかし反論する論文もでています。マウスの実験ではマウスに虫垂切除を行うことにより大腸の腸内細菌叢のバランスが崩れることが示されています。

とはいうものの動物種で虫垂に違いがあるのです。草食動物であるウシ、ヤギ、ヒツジは 難消化性の繊維を摂取することが多い(特にイネ科の植物は固い葉で消化が悪い)ことから大きな胃を複数もっていて反芻することで繊維質を消化しますが、ウマやウサギのような単胃の動物では胃が一つで反芻ができない分、盲腸が発達していて、そこでの微生物が食物繊維を分解しているそうです。虫垂炎があるのかどうかは・・・不明です。

参考:植物はなぜ動かないのか 稲垣栄洋著 、 レジデントノート2015年8月号

 

 

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