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放射線治療とあとで出てくる心臓疾患

[ 内科 / 未分類 ]  当院からのお知らせ

2017.10.26

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乳がんやリンパ腫の治療などで、胸部に放射線治療を受けると将来的に虚血性心疾患(狭心症や心筋梗塞)などが増加することは有名な医学雑誌でも紹介された(N Engl J Med. 2013, 368(11):987-98)ので知っておられるかたもいるであろう。そのほかにも弁膜症や心筋障害、伝導障害(不整脈に関連)、心膜疾患にもなったりする。症状がなくても発症していることがあるという。
特に若くして放射線治療をうけたかたでは心臓関連の合併症があとででるリスクがあがり、治療後35年たっても一般のかたに比べて4-6倍のリスクがあるという。縦隔(胸の中央深く)にあてた人で治療後40年後の累積リスクは54.6% というような報告もある。
放射線治療では血管内皮(血管の内側を裏打ちしている細胞)細胞を障害するとされる。血管に動脈硬化をもたらし血栓を作りやすくする。また放射線のあてた量と相関関係があり、また当然左胸にあてたほうが、右胸にあてたときよりもそのリスクは高くなる。治療に使用した抗がん剤治療(特にアンソラサイクリン系)によっても心筋障害がよりすすむこともある。
というわけで怖い話ばかりしてきましたが、昔胸部に放射線治療をうけたかたは年に1回は心電図検査をうけてほしいですし症状があったら積極的に心臓エコーや冠動脈CTなど検査をうけていただきたいと思います。また最近では放射線の治療計画の精度がより高まり心臓への影響もできるだけ避けるようなプログラムがたてられていてリスクは減りつつあるということは申し上げておきます。

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